原子力発電所が相次いで爆発したというのに、東京電力が説明用に差し出したのは、広報部の部付部長らサラリーマンの中間管理職でした。責任者は出てこない。下僚の彼らはテレビカメラにすくんでいる。同じような光景を経済産業省や原子力安全・保安院などで目にしました。あのとき私が見たのは日本のベスト&ブライテストたちのあまりにも無残な姿。日本の最高学府を出て政府や電力会社で働く男たちは保身と責任転嫁に終始し、それは戦犯としての訴追を免れようと部下に責任を押し付けて逃げ隠れた戦時の指導者たちと同じでした。
「本書を読み、自分の不明を恥じ、ついで慄然とさせられた」(青山学院大教授・福岡伸一、朝日新聞2012年3月11日)、「いまや日本の頭の部分がメルトダウンしている」(評論家・佐高信、週刊現代2012年4月28日号)。
第34回講談社ノンフィクション賞受賞作。選考委員からは「日本の『ベスト&ブライテスト』が誕生した」(野村進)、「調査報道の真骨頂」(重松清)との評価をいただきました。韓国や中国でも翻訳版が出版されています。大幅に加筆したうえで2013年2月に講談社文庫に収録され、著者最大のロングセラーになっています。

