週刊文春4月30日号に「サンケイビル入札に50社が殺到」を寄稿しました。

 3月に4回にわたって「フジテレビvs村上世彰」を連載した週刊文春に、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)が虎の子のサンケイビルを売りに出そうと入札を始めたことをリポートしました。早くもKKRやジェイ・ウィル・パートナーズなど50社以上が群がり、サンケイビルの値打ちは5000億円~7500億円ともいわれています。FMHの利益の過半は、不動産部門であるサンケイビルに依存しており、収益源のサンケイビルを切り離して、はたしてFMHは今後、継続的に安定した企業運営ができるのか、根本のところで疑問に思います。

 こうした事態に至ったのは、日枝久放逐後のフジの新体制(金光修会長、清水賢治社長)が、攻め込んでくる村上氏に終始、宥和的な態度で接してきたことがあります。第二次世界大戦のときの英チェンバレンと同じ愚を犯しました。村上氏は、FMHの自社株買いに応じて株を高値で売り払って1200億円を手にし、増配を約束させ、さらにサンケイビルの売却に追い込むことに成功しました。まるで再軍備を認めさせ、チェコのズデーデン地方を奪い取ったヒトラーのようです。

 巨額のリターンを得た村上氏はさっそく電通株を買い進め、いまや10位の大株主になったのをはじめ、京浜急行電鉄などあちこちの株を買い漁っています。アクティビストと称していますが、かつての理念はどこへやらで、いま彼がやっていることは企業を解体して収奪する「略奪型投資」であり、企業価値の向上には資さないものです。

 もともとの本人の性格に加え、逮捕されて有罪判決を受けたことへの怨念が重なり、日本の株式市場や企業社会に〝復讐〟を果たそうとしているのです。いまのところ彼は連戦連勝が続いており、本人の万能感は高まるばかり。「ヒルズの神」だった2005年のときと、おそらく同じような心境にあることでしょう。

https://bunshun.jp/articles/-/88063

 

TOP